小山田壮平のライブに行ってきました。たいていの人がそうであるように、小山田壮平のファンになったのはandymoriの曲がきっかけです。andymoriの曲を聴いたきっかけは友達と行ったカラオケでした。普段、カラオケで友達が歌う曲に対してあまり感動しないのですが、その友達の為人とandymoriの歌がマッチしていたのも大きかったのでしょうか、歌詞にグッときたのを覚えています。個人的に、andymoriはアルバム『革命』以前以後で分けることができると思っていて、僕が初めに聴いた曲は『革命』以後の作品である、『クラブナイト』でした。そこから、『革命』以前の曲を聴くにつれ、小山田壮平のもつアイロニーに惹かれていきました。『革命』以前のアルバム『andymori』や『ファンファーレと熱狂』は一歩引いた視点から歌詞が書かれているように感じられて、それが僕自身のモノの見方と(こんなことをいうのはおこがましいと、重々承知の上で)合っていたんだと思います。しかし、『革命』以後は一歩引いた視点にあまり立っていない。これは小山田壮平自身に何かの変化があったと考えることもできるんじゃないでしょうか。その点について、僕が今日、小山田壮平のライブで感じたこととシンクロしてくるのです。僕は今日正直言って、小山田壮平のライブを心底楽しめたとは言えないのです。それは小山田壮平が云々とかでは全くなくて、完全に僕自身の問題なのです。素晴らしいライブだったと思いますが、何故だか僕は周りの熱気に入っていけない、一歩引いて見てしまっているのです。中島義道か誰かが、「幸せとは思い込みである」と言っていた記憶があるのですが、一歩引いた視点にたつと、いつまでたっても楽しめないし、幸せになれないし、愛なんて歌えないんです。ちなみに僕がandymoriで1番怖いと思う歌は『インナージャーニー』です。あんなの愛への強迫です、思い込みです。でもそれこそが『革命』以後にandymoriがとろうとした立場なのではないのでしょうか。小山田壮平はその立場に立たないと、愛を歌えないと考えたのかもしれません。つまり、シニシズムは何も産み出さないと。今日、小山田壮平が歌った曲は、やはりポジティブな曲が多かった印象を受けますが、生で聴いてもやっぱりめちゃくちゃ良い、とは言えない。僕が「革命」を起こす日なんてもう来ないのかもしれない、そんな気持ちになった日でした。